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技術資料TECHNICAL DOCUMENT

プリント基板の基礎知識(目次)

1.基板の種類
2.銅箔
3.プリント基板の寸法精度
4.板厚精度
5.外形精度
6.穴位置精度/穴径精度
7.ソルダレジスト位置精度
8.パターン仕上がり幅
9.配線抵抗
10.スルーホール抵抗
11.静電容量
12.インダクタンス
13.遅延時間
14.電流容量
15.破壊電流

プリント基板の基礎知識(実践)

1.基板の種類

基板の種類を示します。記号は、JISよりNEMA(米国電気製造業者協会)の方が一般的です。

 基板材 NEMA記号  JIS記号 
 紙フェノール XPC  PP材 
 紙ポリエステル FR-2 PP材 
 紙エポキシ FR-2  PE材 
 ガラス紙エポキシ CEM-1  CPE材 
 ガラス基材エポキシ CEM-3  CGE材 
 ガラス布エポキシ G-10  GE材 
 ガラス布エポキシ FR-4  GE材 

2.銅箔

厚みは18μ(1/2オンス)、35μ(1オンス)、70μ(2オンス)が主です。信号用には18μ、35μが、電源層用には35μ、70μが使われます。18μはファイン・パターンの表面層に利用されますが、メッキ工程で20〜30μ程度の銅箔がつきます。(最近では更なるファインパターンのために、10,12μ材が使われるようになりました。) 電源層に信号パターンを通すときは35μを使用しますが、70μのほうがスルーホール接続が確実といわれています。

3.プリント基板の寸法精度

下記に一般的な基板の寸法精度を示します。

 項目  精度 
 板厚  基板板厚の10%または0.18mmの大きい方
 外形寸法  0.2mm以内
  穴位置  一般穴  0.1mm以内 
 ガイド穴  0.05mm以内(加工穴などの指定穴)
 きり穴  0.2mm以内(プレス加工穴)
  穴経  一般穴  0.1mm以内 
 ガイド穴  0.05mm以内
 きり穴  0.2mm以内(プレス加工穴)
 フィルム仕上がり幅  設計幅  基板上の仕上がり幅
 0.35mm
 0.25mm
 0.20mm
 0.15mm
 0.25mm
 0.15mm
 0.13mm
 0.08mm
 ソルダレジストの位置  フォトレジストタイプ  0.1mm
 印刷レジストタイプ  0.2mm

4.板厚精度

積層を行う多層基板は、板厚の寸法公差が2層基板に比べて大きくなります。選別管理を行うことで1.6oから2o厚の基板で0.1o程度の公差に抑えることもできます。

5.外形精度

一般的に外形精度は0.2o程度ですが、VMEボードの外形寸法の指示公差は+0〜0.3oですので注意が必要です。

6.穴位置精度/穴径精度

基板量産時には、部品取り付け穴などのきり穴はプレス加工が可能です。プレス加工では基板コストは下がりますが、穴位置精度と穴径精度が落ち、そして内層の逃げ寸法も大きくする必要があります。これがいやならルータ加工を要求します。

7.ソルダレジスト位置精度

表面実装部品など端子間隔が狭いものは、フォトレジストタイプを指定します。

8.パターン仕上がり幅

基板の配線パターンは、設計幅より細くなります。電気的な性能を議論するときは仕上がり幅で考えます。

9.配線抵抗

配線の1pあたりの直流抵抗は、銅の電気抵抗から次式で表せます。

R=0.00017/(ω・ t)[Ω/p] ※ω:導体幅[o]、t:導体厚[o]

デジタル回路ではさほど影響はありませんが、アナログ回路で不用意に0.15o幅の35m厚パターンを200o長で使うと配線抵抗は約1にもなります。

10.スルーホール抵抗

例えば、電流容量はめっき厚を20oとすれば、穴径0.4oのビヤーでも断面積は0.024muとなり、厚さ35oの銅箔で考えると0.7o程度の導体幅に相当します。

11.静電容量

誘電率とともに絶縁層の厚みが大きな影響を与えていますので、層構成を決めるときは注意してください。絶縁層が薄いと静電容量が増し、耐ノイズ性やクロストークの 影響は減らせますが、伝搬速度は遅くなります。とりあえずの記憶用として条件を無視しておおよその数値を示してあります。一般の基板では、ほぼこの範囲に収まります。

12.インダクタンス

プリント基板のパターン配線である銅箔は寄生インダクタンスを持っています。寄生インダクタンスは銅箔の長さ・厚み・幅によって変化します。

13.遅延時間

誘電体の内部では、信号の伝搬速度は、誘電率が高いと遅くなり、誘電率の高いエポキシ基板では問題となります。誘電率5程度のエポキシ基板では、配線長に10pの違いがあると0.6nsの遅れとなります。これはECL回路やほかの数nsの速度のデバイスでは無視できません。タイミングずれの対策としては、等長パターンなどを使う方法があります。

14.電流容量

基板は一般には温度上昇を20℃以下で使用するよう提案しています。80℃を越えると比較的短時間で変色し、120℃を越えると導体のはがれが始まります。機器の使用温度を40℃とすると、内部はすでに60℃くらいになっている場合が多いと思いますので、電流による温度上昇は避けたいものです。ふつうは1A/o(35μ銅箔厚)を目安にしたほうがよいでしょう。

15.破壊電流

以下のようなデータが出されていますが、本当に破壊するかどうかはわかりません。これを期待してヒューズ代わりに利用するのは避けるべきでしょう。

 導体幅(o)  破壊電流(A)
 0.25  5
 0.50  7
 1.00  10

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