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☆ 基板の信頼性雑学


基板の品質と信頼性雑学

基板信頼性

故障率

基板設計の信頼性

  基板信頼性


試作基板の市場における品質は、意外に良いようです。


   故障率





MILではあらゆる電子部品について基礎故障率を定め、環境、品質、用途、複雑度を係数として掛け合わせて、下記のように故障率を設定しています。
先の故障率を一般の使用条件で算出すると、100万時間当たりの故障率は以下のようになります。
ただこのデータは古く、実際は技術の進化もあり個々に算出する必要があります。

  • 《故障率の例》

MOSメモリ 0.58
シリコン・トランジスタ 0.011
コンデンサ 0.01
抵抗 0.0034

これに対して基板の故障率の算出結果を示すと、以下のようになります。


基板故障率 0.1〜1(1000ピン)


 品質ファクタ1は、G−10以上でスクリーニングやバーン・インが必要としています。とにかく1000ピンの基板の故障率はメモリ1〜2個分です。
 MILで定めた基板の故障率の算出方法はコネクタなどに比べれば簡単です。これはたぶん、基板の信頼性はその当時さほど問題にならなかったのでしょう。
 さらに実際の実務で考えると市場における基板不良として、発熱部品による熱ストレスが加わりパッドがはげたり、湿気の混入で銅マイグレーションが発生し基板のパターンがショートしたり、基板外の負荷のショートで過大電流が流れて基板が焦げたりするのは良くあることです。
 しかしながら、出荷時は正確につながっていたパターンが、市場で突然切れたりするような基板自体に起因する不具合は市場ではあまり見かけません。
 たしかに基板はテレビやパソコンや車や飛行機に何億枚と使われています。これに大きな問題があれば世の中は成立しません。
 初期に不良が多いのは、スクリーニング効果が高いと考えれば良いでしょう。





   基板設計の信頼性




基板でもこれらの問題と無関係ではありません。重要なパターンに関しては、断線が困る場合は線を太くしたり、ビヤーを禁止したり、線を二重にしたりします。ほかの配線とのショートが困る場合は、ギャップを広げたりしてその可能性を減らします。


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